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ベートーベンの作品ベートーベンが生涯に作曲し、発表した作品の数は138曲にのぼります。私たちは、一度は必ずベートーベンの楽曲を耳にしているのです。テレビのCMや番組BGMに使われたり、メロディを活かして現代風にアレンジしたりして、意外なところで耳にすることがあるクラシックです。 [ スポンサードリンク ]
ベートーベンの作品ベートーベンは、同時代の作曲家と同じく広いジャンルの楽曲を次々に作曲しています。オペラや演劇のための付随音楽から、ピアノのための楽曲、オーケストラによる交響曲、管弦楽、吹奏楽、舞曲、声楽曲と関わったジャンルの幅広さは相当なものといえます。 ベートーベンの時代の音楽家の条件ベートーベンと同じ時代を生きた音楽家は、音楽に関することのほとんどを独力で行えることが当たり前でした。作曲はおろか、演奏や歌唱もこなせるのが普通だったのです。ベートーベンも作曲だけでなく演奏や歌唱も普通にこなしていたのですが、難聴と向き合うことを決めた28歳ごろから作曲に専念するようになっています。もしも、ベートーベンに難聴が発症していなければ、モーツァルトのように積極的にオペラをプロデュースしていたかもしれません。 ピアノを愛したベートーベンベートーベンの楽曲の大半を占めているのがピアノのための曲です。幼少の頃からピアノ教育を施され、難聴を克服するための特注ピアノを準備するなどしてきたベートーベンにとってピアノは、もっとも身近で自分に降り注ぐ音楽を素直に表現できる楽器だったのです。ベートーベンの作曲した楽曲の中でピアノが主役を務めているのは138曲中65曲で、ほぼ半分がピアノのための曲なのです。 発表されなかったベートーベンの楽曲ベートーベンの時代の作曲家は、医療技術が進歩していなかったこともあって志半ばで病に倒れた人も少なくありません。病のために、日の目を見ることのなかった楽曲はそれこそ星の数ほど存在しているのです。ベートーベンにも、そういった未発表曲・未完成曲が相当数存在しています。ベートーベンの場合、交響曲の構想が11曲分あったほかにも即興演奏で作られ、楽譜を作られることのなかったピアノ曲が数百曲あるといわれています。 ベートーベンの作風ベートーベンの作風は、様々な音楽家から学んだことを自分なりに解釈して作り上げたものであるといえます。ベートーベンの楽曲には尊敬するモーツァルトやバッハ、師事したハイドンなどの音楽家の影響を強く受けている面があるのです。 ハイドンとの師弟関係ベートーベンはウィーンに上洛し、ハイドンに師事したというのが定説となっていますが、実際には手ほどきを受ける機会は少なかったようです。ベートーベンがハイドンに師事した1792年は、ハイドンにとっても重要な時期でイギリスへの演奏旅行や代表曲の制作を精力的に行っていたのです。そのため、弟子になったばかりのベートーベンにまで目が行き届いていなかったため、ベートーベンとの師弟関係は僅か一年に満たないものになります。ベートーベンも後年「ハイドンから学んだことは何もなかった」と述懐しており、ベートーベンには実りの少ない時期であり、雌伏の時でもあったといえます。 モーツァルトとの関係ベートーベンは、モーツァルトを尊敬していて面会の機会を得た時に弟子入り志願を行っていたことは有名な話です。ベートーベンもモーツァルトも音楽家の父による薫陶を受け、少年演奏家としてデビューしたという共通の過去を持っているからです。もしも、ベートーベンに母の病気がなければ、モーツァルトの急逝がなければ現在の音楽界は大きく変化していたのかもしれません。 ベートーベンの代表曲現代に引き継がれたベートーベンの楽曲の中でも、特に人気が高いのは交響曲です。中高の吹奏楽部や市民楽団がこぞって練習して発表会で演奏していることに加え、「のだめカンタービレ」のヒットによるクラシック再評価の流れなどで、人気が高まっているのです。 交響曲第三番「エロイカ」ベートーベンが、革命で揺れていたフランスを平定した英雄ナポレオンに捧げるべく作曲した交響曲です。しかし、ベートーベンが皇帝に就任したことにベートーベンが怒り、題名を書き換えてしまったといわれています。 交響曲第五番「運命」「ジャジャジャジャーン」という、独特の旋律から始まる交響曲第五番「運命」は広く人気を集めるクラシック曲でもあります。運命の波乱万丈さを表すかのようなダイナミックなメロディは、初心者にも向いているといえます。 交響曲第七番交響曲第七番は、ごく近年になって再評価され始めた交響曲といえます。ドラマ「のだめカンタービレ」で、メインテーマとして扱われたことによって知名度を高め、ベートーベンの隠れた代表曲として扱われるようになってきたのです。 交響曲第九番交響曲第九番は、ベートーベンの楽曲の中でもっとも有名な曲といっても過言ではないでしょう。第九の特色は第四楽章の合唱部分です。この第四楽章は詩人シラーの「歓喜に寄す」に曲をつけたもので、俗に「歓喜の歌」と呼ばれています。 3大ピアノソナタピアノを愛した作曲家であるベートーベンは、数々のピアノ演奏曲を作曲しています。中でも、全32曲あるピアノソナタの内の「三大ピアノソナタ」と呼ばれる三曲が、人気の高い曲となっています。 第8番「悲愴」ピアノソナタ第八番「悲愴」は、ベートーベンが表題をつけた数少ない楽曲の一つです。この曲を作曲した当時は、まだピアノは主流の楽器ではなかったことを考えるとベートーベンの野心作であると位置づけられます。 第14番「月光」ピアノソナタ第十四番「月光」は、本来ピアノソナタ第十三番とセットで作られた楽曲です。しかし、「月光」だけが有名になってしまいその本来の意味は失われつつあります。「月光」は、ベートーベンが想い人の女性に贈った曲としてもその名を知られています。 第23番「情熱」ピアノソナタ第二十三番「情熱」は、ベートーベンの楽曲の中でも高い完成度と評価を誇る最高傑作のひとつといわれています。その名の通り情熱的な旋律を持ち、ベートーベンの「音楽の頂点を目指す情熱」が伝わってくる名曲といえます。 |
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