完全攻略!ベートーベン
ベートーベン指揮
 
 

ベートーベンが愛したもの

ベートーベンの生涯は幾多の苦難に見舞われたものであると言えます。そんな人生の中でベートーベンに心の安らぎを与えた「ベートーベンが愛したもの」がいくつも存在しています。ここでは、ベートーベンが愛してやまなかったものを取り上げていきます。


ベートーベンが愛したもの

ベートーベンは、「野獣」と呼ばれるほどの癇癪を持った激情家であったと史実に記されています。しかし、この時代の音楽家はただの野獣では務まらないほどの社交性や知識を要求される職業でした。そのため、ベートーベンは激情的な一面とは裏腹な文化的な面を持ち合わせていたのです。

ベートーベンとメトロノーム

メトロノーム難聴のため、音が聴こえなくなったベートーベンが愛したものにメトロノームがあります。難聴者は音が聴こえなくても振動と言う形で音を感じることが出来ます。一般的には強い振動を出す打楽器が難聴者向けの楽器と言われますが、ベートーベンのようにオーケストラを指揮することがある場合、打楽器の振動は他の楽器の振動で打ち消されてしまうことがしばしばあります。打楽器の振動でテンポを取ることが出来ないことに悩んでいたベートーベンの前に現れたのが1816年に発明されたメトロノームだったのです。

メトロノームを愛したベートーベン

難聴者であったベートーベンにとって、曲のテンポが視覚的に把握できるメトロノームはうってつけの道具であったと言えます。ベートーベンは直ちにメトロノームの発明者であるヨハン・ネポムク・メルツェルとの親交を持ち、メトロノームを自分の作曲活動に活用していきます。1816年以降に作曲されたベートーベンの楽曲の全てにはメトロノームの速さが指定されています。ただ、この速さはあくまでも「ベートーベンがメトロノームから割り出した適切な速さ」で、現実的には「演奏不可能曲寸前の速さ」であったようです。当時のメトロノームは機械式だったので、湿度や部品ごとの精度などの条件によって速さに狂いが生じていたのです。しかし、メトロノームの有用性は他の音楽家たちに認められる機会を作ったのは間違いなくベートーベンであるといえます。

ベートーベンとコーヒー

コーヒーベートーベンと同時代を生きたフランスの政治家タレイランは、優れた手腕を持つ外交官であると同時にフランスでも有数の美食家として知られています。タレイランの残した言葉として有名な「悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように清く、恋のように甘い」があります。この言葉は、美味しいコーヒーを飲んだときの感嘆の言葉であると伝えられています。ベートーベンは、タレイランに匹敵するほどコーヒー愛好家だったのです。

コーヒー文化に見せられたベートーベン

コーヒーミル15世紀ごろに中東を経てトルコからヨーロッパに伝来したコーヒーは、紅茶に匹敵する飲み物として定着していきました。イギリスと対立していた独立前のアメリカは、紅茶と違って関税がかからないコーヒーを愛飲するようになったという話があるほど、コーヒーは人々の生活に定着していたようです。ベートーベンが活動の拠点としたウィーンは、コーヒー伝来以来のコーヒー文化発信地の一つでした。ウィーンに上洛したベートーベンはコーヒーの魅力に取り付かれ、毎朝自分でこだわってブレンドした豆を、きっかり60粒をミルで挽きドリップ式でコーヒーを淹れたと言われています。ベートーベンの他にはバッハがコーヒー好きの音楽家であったと伝えられています。

ベートーベンとハイリゲンシュタット

難聴に悩まされたベートーベンは、療養のためにウィーンに程近い静養地のハイリゲンシュタットに移り、温泉療法を試しています。このハイリゲンシュタットでは、ベートーベンは「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いていることで有名ですが、ベートーベンが最も愛した土地でもあるのです。

終生愛したハイリゲンシュタット

ベートーベンは、難聴が発症する以前から慢性的な腹痛や下痢に悩まされてきました。難聴の発症を機に、ベートーベンは一縷の望みを託してハイリゲンシュタットでの療養生活に入ったのです。しかし、難聴の改善に効果がなかったことがベートーベンにとっての最大の悩みとなり、「ハイリゲンシュタットの遺書」を書くきっかけになったのは確かです。一方、慢性的な腹痛などに関してはいくらかの効果があったようで、ベートーベンは現在「遺書の家」と呼ばれている邸宅だけでなく、交響曲第六番を作曲した「田園の家」、終生を過ごした「シュヴァルツシュパニエールハウス」などのハイリゲンシュタット各地の邸宅で生活しています。


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